のど の症状・処置・病名について

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なかえ耳鼻咽喉科医院
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Q.魚の骨がのどに...
魚の骨が右ののどにささったようで、つばをのむとチクチクと痛みます。 うがいをしたり、ごはんと一緒に飲み込もうとしましたが、まだチクチクします。 すぐに病院へ行かなければならないでしょうか。

魚の骨はほとんどの場合、左右のどちらかの扁桃腺(へんとうせん)に刺さります。 次に多いのが舌の付け根です。扁桃腺に刺さった場合、鏡で見えるからといって 無理に指などで取ろうとしないほうがよいでしょう。かえって深く刺してしまう ことがあるからです。また、舌の付け根に刺さった場合には鏡をつかっても 見えることはまずありません。いずれにせよ、つばを飲み込んだときにだけ 痛みがあるならば、あわてる必要はありません。 早めに受診するに越したことはありませんが、一晩くらいなら大丈夫です。

だだし、次のような場合にはすぐに耳鼻咽喉科か、救急病院 へ行くべきです。

などです。

Q.つばをのむと骨がささっているようで...
魚の骨が刺さったようなので耳鼻咽喉科を受診しましたが、骨は見当たらない と言われました。それでも、つばをのむとチクチクはしないのですが、 何かひっかかるような、鈍痛のようなものを感じます。 本当に大丈夫なのでしょうか。

たぶん、傷の痛みだと思います。骨が刺さったすぐ後ならば、傷の場所もわかり やすいのですが、数時間たつと小さい傷などはほとんどわかりません。 それでも、傷の痛みは2〜3日続くことがあります。この場合、 「チクチク」や「ヒリヒリ」といった鋭い痛みではなく、「何かあるような」 「何かひっかるような」感じになります。時間とともに、 やわらいで行けば大丈夫です。
Q.声が出にくくなり声帯麻痺と言われたが...
70歳の男性です。最近声が出にくくなったので耳鼻咽喉科を受診したところ、 左の「声帯麻痺」と診断され、2週間ほど薬をのみましたが全然良くなりません。 どうして「声帯麻痺」が起こったのでしょうか。完全に治る方法があるのでしょうか。

声帯はのどの奥の気管の入り口のところに左右向かい合うようにして存在しています。 気管は肺につながっていますから、肺から空気が出るときに左右の声帯がふるえ、 声が出るようになっています。一方の声帯が動かなくなっても、もう一方の声帯 が正常ならば声は出ますが、小さなしわがれた声になります。 声の高低などは声帯についている小さな筋肉によって微妙に調節されています。 この筋肉の動きに関係している神経を「反回神経」といいます。 「声帯麻痺」の多くはこの反回神経の障害によって起こります。 反回神経そのものの障害ならば 単なる神経の炎症であり、飲み薬だけで良くなることが多いようです。 飲み薬でもよくならない場合には、何かほかの原因でこの反回神経が障害を 受けていると考えなければなりません。 ところで、反回神経は脳から出てすぐに声帯の筋肉につくのではなくて、 いったん肺の上部の方へ下がって行き、再び上昇して声帯の筋肉についています。 ぐるっと折り返して(=反回して)目的地につくのでこのように 命名されています。したがって、肺・気管・食道・甲状腺・大血管などの 炎症や腫瘍によって反回神経が障害を受けると「声帯麻痺」が起こってくるわけです。 解剖学的に反回神経は右側より左側のほうが10cmほど長いので、 「声帯麻痺」は左側に多く起こります。 以上より、飲み薬だけで麻痺が改善しない場合には、なるべく早い時期に 総合病院で精密検査を受けた方が良いでしょう。